藝術のなかった東京芸術大学
昨夜市内のライブハウス、カジノドライブにてOKI DUB AINU BANDのライブがあった。
このバンド代表のオキさんは、先住民族アイヌの血を受け継ぐアーティストである。今回のライブはアイヌの楽器であるトンコリをはじめギター、ムックリ、ピア二カを駆使して3時間を超えるものとなった。
このライブの感想から申し上げると、私がここ数年間に海外でのライブ鑑賞も含めた中でも最もカッコ良いものだと感じた。それは音楽そのものもさることながら、オキさんの喋りやバンドメンバーのキャラクターの魅力、何より会場を包み込む聴衆の雰囲気が最高だったのだ。アイヌの方々は当然のこと、国外からの聴衆も多くいらっしゃり、旭川ではめずらしく人種を超えたライブを経験することが出来た。
話は少し飛ぶ。私の卒業した大学では、当時(20数年前)海外(特に欧米)からの留学生に「ここの大学には藝術がないね」と言われていた。
その理由は当時学生であった私も薄々感づいていた。それは担当教員や主任教授に指導されるままに作品を制作する姿勢と、そうしなければ大学に残れなかった学生達の立場を留学生が見抜いていたのである。
今になってある程度の確信を得ることが少しだけできる。それは表現すると言うことについて、指導者も含めてまわりから言われて言われるように表現したものを、藝術作品と言わないのだと言うことだ。
そこで藝術のなかった東京芸術大学を卒業した私が、現在に於いて卒業生の中から藝術家と呼べる人々を挙げて見ると。
・SONYの元会議長の大賀典雄さん(退職金の約8億円を軽井沢音楽ホール建設のために寄付)
・現在写家として活動されている藤原新也さん(学生時にインドで書かれたインド漂流は多くの人々を変革)
そして、オキさんの名前を挙げたい。
私にとって現在、理想の藝術家に最も近い表現者の一人がオキさんである。