法人東海大学には創設時より現代文明論という必修の授業がある。
この授業は創設者の松前重義博士が、太平洋戦争前のデンマークの国民高等学校での授業風景から影響を受けたこともあり、必修授業にされたようである。
授業内容は前期・後期それぞれ14回の授業に、毎回違う講師がそれぞれの専門分野の講義を1時間程度おこないレポートを書くと言うものである。
先週末、この現代文明論の講義をおこなうため、札幌校舎で工学部と国際文化学部の総勢320人程を対象に講義をさせて頂いて来た。
私の話しは「現代という時代」とのタイトルで、芸術活動が身近なスポーツや音楽を通して社会に対し役割を果たしているか?との内容だった。そこで授業の初めにスポーツやポップミュージックが芸術活動に入ると思いますか?と質問したところ、8割程の学生は入らないとの回答だった。
その後、印象派の作家の作品や太平洋戦争前の話を記録映画にした作品等を見せた後、大リーグのイチロー選手や松井選手の話を交えて1時間程度の講義をさせて頂いた。
授業終了後に提出されたレポートを読ませて頂いた処、ほとんどの学生達が授業の初めと違い、スポーツやポップミュージックも芸術活動に入ると思うとのことを書いてくれていた。
東海大学で60年以上前からこの現代文明論の授業をおこなってる理由が、ここ3~4年自分でこの授業を担当するようになって深く理解できるようになって来た。
そのことは、何のために勉強するかと言うことであって、一流企業に入りたいからや司法試験に合格したいからの理由だけで勉強することと、違うように感じている。
特に自分の進む専門分野だけ勉強していれば良いと言うことでは、決してないのである。
この教えの効果が今となってやっと現れ始めたようにも思う。それは世界大学評価ランキング(数万の大学の中)で東海大学が上位から300番台になったこともさることながら、日本の私立大学の中で早稲田大学、慶応大学に次いで上位から3番目だった評価からも読み取れそうである。
このことは大学の4年間で何のために学ぶのかとの疑問が、現代文明論の授業によって多少でも理解され、学生達が幅広い視点からものごとを学んだ結果なのだと思われる。